【不妊治療について】一般的な流れ・治療内容について解説
不妊とは?
妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにも関わらず一定期間妊娠しないものをいい、日本産科婦人科学会ではこの「一定期間」について「1年というのが一般的である」と定義しています。
なお、不妊のカップルは生殖年齢の15%程と言われていますが、近年では妊娠を考える年齢が上昇していることもあり、この割合はもっと高いとも言われています。
不妊治療の流れ
以下に不妊治療における一般的な流れや、具体的な内容を記載します。
あくまで一般的な不妊治療の流れを説明していますが、実際は患者様の希望や診断結果に応じて適切な不妊治療をご提案のうえ開始します。
一定期間の治療で妊娠しない場合には順を追って治療方法をステップアップしますが、このステップアップのタイミングは患者さまのご年齢やご希望により異なります。
治療内容や治療方針にご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。
- 不妊検査
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不妊の原因は様々です。ホルモンや子宮、卵巣の状態、卵管の通過性、精子の数や運動率などの検査を行い、不妊の原因を特定します。しかし、不妊の原因はさまざまで原因が特定できない原因不明の不妊も非常に多い状況です。
不妊検査の詳細については不妊検査とは?不妊検査で行うこと・不妊検査の時期についてをご確認ください
- 一般不妊治療
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排卵日を特定して夫婦生活を持つタイミング法や精子と卵子が受精するまでの道のりをショートカットしてできる限り多くの精子を子宮内に送り込む人工授精(AIH)など、より自然妊娠に近い方法で妊娠成立を目指す、高い妊娠率が期待できる治療です。
タイミング法
妊娠しやすい性交渉のタイミングを診察で推定し、アドバイスする他は自然妊娠と同じです。
詳細はタイミング法とは?流れや成功率などタイミング法について解説をご確認ください。人工授精(AIH)
「人工」の表現から誤解されることもありますが、実際には精子の洗浄と子宮の中へ送り込む支援をするだけであり、あとは精子と卵子の力に任せて妊娠成立を目指す治療法です。
詳細は人工授精とは?人工授精の流れや確率など気になる疑問を解説をご確認ください。
- 生殖補助医療(ART)
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体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)をはじめとする治療方法です。一般不妊治療で結果が出なかった場合に年齢やお身体の状態から医師が判断し、ARTにステップアップする提案をします。
一般不妊治療と最も大きく異なる点は「排卵」と「受精」を支援する点となり、卵巣より取り出した卵子と精子を体外で受精させて受精卵を子宮に移植する治療法です。大きくは体外受精(IVF)と顕微授精(ICSI)に分類され、どちらの方法を選択するかはご夫婦の卵子や精子、ご年齢など様々な状況を総合的に判断してご提案します。ご希望がある際は可能な限りご希望に沿っての治療を行っていきます。
体外受精
採卵した卵にシャーレの上で精子をふりかけて受精を試みる治療です。
詳細は体外受精とは?体外受精のスケジュールや成功確率についてをご確認ください。顕微授精
一個の精子を卵子に直接入れ込み、受精を試みる治療です。
詳細は顕微授精とは?治療スケジュールと通院回数の目安をご確認ください。
- 妊娠判定(hCG検査)
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一般不妊治療での妊娠判定
月経が遅れた場合に月経予定日から1週間以内にご自身で市販の妊娠検査薬を利用して検査をしていただきます。陽性である場合には妊娠している可能性が高いですが、正常な妊娠か否かは特定できないため、月経予定日の2週間以内に必ずクリニックを受診してください。生殖補助医療(ART)での妊娠判定
移植日から10日以降に採血でhCG(妊娠時に産生されるホルモン)を測定します。ここでは着床したかを判断し、胎嚢(羊水で満たされた赤ちゃんを包む袋)が確認できるのはその1週間後以降(妊娠5週以降)になります。
連携医療機関
当院では妊娠と判定されましたら連携医療機関をご紹介させて頂くことが可能です。