【妊活前に知っておきたい】年齢別の妊娠率と流産率
公開:2018.07.09 最終更新:2024.05.25
基礎知識妊娠
桜十字ウィメンズクリニック渋谷検査部です。
今回は年齢と卵子、AMH値の関係についてお話します。
女性の年齢と妊娠率
下のグラフは生殖補助医療における妊娠率・生産率、流産率を表しています。ご覧いただくとわかるように36歳を過ぎたあたりから大幅に妊娠率が低下しています。これは、体外受精や顕微授精などを行っても、年齢を重ねるごとに妊娠率が下がってしまうということを表します。
その要因の一つは卵子の老化です。卵子は加齢とともに殻が固くなり精子が受精しづらくなったり、染色体異常が起こりやすくなると言われています。よって、高齢の方には早めに治療を開始することをお薦めします。
AMH(アンチミューラリアンホルモン)とは?
また、治療のスピードを決める材料として他にはAMH値があります。
女性の身体には生まれた時点で約200万個の卵子のもととなる原始卵胞があり、思春期以降に少量ずつ受精可能な状態へ成熟して排卵します。原始卵胞は出生後、新しく作られることはないと言われており、月経が始まってからは一月に約1,000個の卵子が減り続けると言われています。
AMHは排卵される前の卵胞である前胞状卵胞の顆粒膜細胞から分泌され、卵巣内の卵子の在庫に相関し、月経周期に関係なく採血できるのが特徴です。
年齢とAMH値
参考:JISART(多施設共同研究データ)
低いAMH値が示すのは
AMHの値が低いと原始卵胞が少ないことを表し、さらに卵胞の数が育ちにくくなってると言えます。
この数値を参考にどの治療法を選択すべきか、どのタイミングでステップアッJIプを考えるべきなのか、患者様と相談して決めていきます。当院では院内でAMHを測定していますので、妊活の第一歩として検査してみてはいかがでしょうか。
AMHについて詳しくお話をしてきましたが、AMHの数値が表すのはあくまでも卵子の在庫の目安であって、その卵の質の良し悪しは無関係です。AMHの値が低く、卵子の数が少ないと予測されても「卵子の質」が良ければ、スムーズに妊娠、出産に結びつくケースもあるのです。
※AMH検査をはじめとした不妊検査についてはこちらをご覧ください。