不妊原因の因子について
公開:2018.07.16 最終更新:2024.08.30
研究結果基礎知識生活習慣
桜十字ウィメンズクリニック渋谷培養部です。
今回は不妊原因の因子についてお話させていただきます。
以前のブログで、「36歳を過ぎたあたりから大幅に妊娠率が低下し、その要因の一つとして卵子の老化があります」とお伝えさせていただきました。しかし、卵子の老化以外でもさまざまな因子により不妊の原因となる場合があります。
不妊原因のさまざまな因子
不妊の原因としては大別して以下の7つがあげられ、その割合は下図のようになっていると報告されています。次回以降のブログで各因子とはどのようなもので、どのような病気や症状があるかを詳しくご説明します。
・卵巣因子
… 先天性のものと後天性の腫瘍や機能不全などがある
・排卵因子
… 視床下部-脳下垂体-卵巣系の機能異常による排卵障害
・卵管因子
… 卵管あるいは卵管周囲に異常が発生
・子宮因子
… 胚が着床し発育する場所である子宮内膜とそれを取り巻く子宮に起因
・男性因子
… 男性由来の障害。先天性と後天性のものがある
・免疫因子
… 精子に対する自己免疫あるいは同種免疫が存在
・原因不明因子
… 不妊症の原因が明らかではないあるいは診断不可能な場合
代表的な不妊原因の各因子を列挙しましたが、それ以前にも生活習慣のなかで不妊原因の因子となっていることがあります。
不妊原因となり得る生活習慣
喫煙が妊孕性に悪影響があるのはもちろんのこと、体重においても適正体重よりも下回る(BMI 19以下)あるいは上回る(BMI 35以上)場合も悪影響を及ぼします。加えて適度なアルコール(1から2杯/日)やカフェイン摂取であっても妊孕性に悪影響をもたらすことがあります。
卵子が正常でもその他の器官、生活習慣などに問題があると受精あるいは着床がうまくいきません。そのためにはまず、自分は何が原因で不妊なのかをはっきりさせることが大切です。はっきりした不妊原因がわかればその原因を治療することになり、理論的には妊娠に成功する可能性があります。
当院の治療は、まず検査をして原因を探ることからスタートします。少しでも疑問を感じたらまずは検査を受けてみましょう。