男女別で見た不妊因子となる疾患とは?
公開:2018.07.23 最終更新:2024.08.30
基礎知識疾患
こんにちは。今回は看護部が担当です。
看護部の挨拶が終わり、初めてのブログですね。
前回のブログでは、不妊症の原因となる代表的な因子に関して紹介されていましたが、今回は不妊症の原因となりうる“疾患”について紹介していきたいと思います。
不妊の因子には、女性側(女性因子)、男性側(男性因子)、あるいはご夫婦両方(両方の因子)が原因となることがあります。それぞれの因子における代表的な疾患をまとめたものが以下になります。
女性・男性別にみた不妊原因となる疾患など
〈女性因子〉
- 排卵因子
高プロラクチン血症 - 卵巣因子
多嚢胞性卵巣症候群、卵巣嚢腫、チョコレート嚢胞、早発卵巣不全 - 卵管因子
クラミジア性卵管炎、卵管周囲炎 - 子宮因子
子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープ、子宮奇形、アッシャーマン症候群 - 免疫因子
抗精子抗体、抗透明抗体
〈男性因子〉
〈両方の因子〉
- 性交障害
- セックスレス
このことから、不妊症には多くの関連疾患が存在することがわかります。
そして、上記の不妊原因の男女別の内訳をグラフにしたものがこちらです。
一般的に不妊症は女性側が多くの問題を占めていると思われがちですが、男性因子と両方の因子を合わせると男性側が関与しているものでも全体の約50%を占めていることがわかります。また、不妊症の多くは一つの原因に起因するというよりは、複数の原因が関連している場合がほとんどであると言われています。
そのため、不妊の原因を探るためには男性も検査を受けることが原則と言えます。
今回は、不妊の因子とその疾患についてご紹介しましたが、不妊に悩む患者さんが増えている原因は、なによりも晩婚化や女性の妊活開始年齢の高齢化であると言われています。妊娠を希望されている場合は、早めに医師に相談することが大切です。