40代での不妊治療 成功率を高めるには
公開:2023.07.03 最終更新:2024.05.30
お知らせ
別記事(30代の不妊治療・妊活のポイント)でもお話した通り、35歳を超えると妊娠成功率が低下します。主な理由として「卵子・精子の質の低下」が挙げられます。
40代での不妊治療
卵子は、女性が年齢を重ねていくにつれ老化していきます。30歳の方の卵子は30歳、40歳の方の卵子は40歳ということになります。
40代で妊娠を希望される方は、不妊治療の中でも「体外受精」など妊娠確率の高い治療から始めていただくことをお勧めいたします。40代での「タイミング療法」、「人工授精」、「体外受精」の妊娠率を理解して頂くことも重要です。
40代の妊娠率
日本生殖医学会より、体外受精・顕微授精等、生殖補助医療を行っての出産率(2017年発表)は、40歳で約15%、45歳で約5%以下となっており、年齢の上昇と共に妊娠率が低下することが分かります。
また、年齢が増加するにつれ、子宮筋腫、子宮内膜炎、子宮内膜症、クラミジアなどによる卵管炎など婦人科疾患の罹患率が増加することも考えられています。子宮内膜症は骨盤内環境の悪化を招き、胚の着床や成長、着床を障害することが指摘されており、妊娠率の低下に繋がる可能性があります。
治療のポイント
「妊活」は医療の介入しない方法ですが、40代に関しては医療的サポートが可能な不妊治療を積極的に行うことが重要です。体外受精を行う際も、40代で卵巣機能が衰え排卵しにくくなっている場合があります。その場合は、排卵誘発剤で卵巣を刺激しながら治療を進めていきます。
また、精子も卵子と同様に年齢を重ねると老化していくといわれています。しかし、精子は毎日作られている細胞のため、治療により改善されるケースがあります。男性に関しては、まず一般的な精液検査に加えDNA損傷率を調べてみましょう。
妊娠率などは一般的に言われる数値ですが、体質や年代に合わせた治療法を行うことで確率を上げられる可能性もあります。体力や精神面で負担が増えないよう、医師と綿密にコミュニケーションを取り、検査・治療を進めていきましょう。