子宮内フローラとは?妊娠との関係は?
公開:2023.08.28 最終更新:2024.05.30
お知らせ
子宮内フローラは子宮内に存在し、活動している細菌の集団を指します。
子宮内は無菌だと考えられていましたが、近年では腸内と同じように様々な子宮内細菌が存在することが明らかになってきました。次項では、子宮内フローラと妊娠の関係についても説明していきます。
子宮内フローラの働き
子宮内フローラが整った状態であると、妊娠率や妊娠継続率が上がることが報告されており、子宮内に「ラクトバチルス属の菌」が多いほど良いと考えられています。ラクトバチルス菌とは、いわゆる善玉菌に分類されます。子宮内や膣内の常在菌で、細菌性膣感染症や性感染症等を予防する働きがあります。ラクトバチルス菌を増やし、保つことが妊活では非常に重要です。
子宮内フローラの乱れ
子宮内フローラが乱れると、妊娠や妊娠継続率、出産率が低下する恐れがあります。
ラクトバチルス菌の占める割合が多いほど、子宮内フローラが正常である指標となりますが、これが減ると病原性微生物が侵入しやすくなってしまいます。侵入した場合、病原性微生物を排除しようとする働きと一緒に過剰な反応が出ると受精卵も排除してしまう恐れがあります。そのため、子宮内フローラを整えることが大切です。
子宮内フローラを整えるには?
- 十分な睡眠時間を取り、生活習慣を整える
- 発酵食品、食物繊維、オリゴ糖を含む食品を摂取する
- サプリメントで補う
上記の3点が大切です。ストレスや睡眠不足は、女性ホルモンの乱れや免疫力低下、子宮内フローラの乱れに繋がります。睡眠時間を確保、適度な運動も行いストレスを溜めない生活を心がけましょう。
また、食品に関しては以下を参考にしましょう。
- 発酵食品
チーズ、ヨーグルト、醤油、味噌など - 食物繊維
きのこ類、ごぼう、海藻類(わかめ、ひじき等)、豆類 - オリゴ糖を含む食品
牛乳、はちみつ、玉ねぎ、きなこなど
サプリメントは、子宮内フローラを整える「ラクトフェリン」がお勧めです。ラクトフェリンは、ラクトバチルスを増やす働きがあります。食品では十分な量が摂取できませんので、サプリで効果的に取り入れましょう。
子宮内フローラ検査
当院でも、子宮内フローラ検査を行っております。検査方法は、綿棒またはピペットを用いて膣内擦過物または子宮内腔液を採取し、そこに含まれるラクトバチルス属菌の割合を調べます。また、ラクトバチルス以外の細菌、常在菌などの割合も検査で分かることがあります。この検査は保険適応外となりますが、先進医療のため非課税となります。