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卵子凍結とライフプラン

公開:2023.10.23

お知らせ

先日、famione(ファミワン)さんとの提携で「卵子凍結」についてのセミナーを開催させていただきました。Zoomでの視聴となり、多くの方が視聴してくださいました。今回は、その中のお話を少しさせていただきます。

 

現在、卵子凍結は多くの方の耳に入ってくるようになり、聞きなれたものになってきているのではないでしょうか。興味があっても何から調べていいかわからない方もまだまだいらっしゃいますよね。

要約すると、若い時の卵子を凍結しておけば、パートナーがいない方、すぐは妊娠を考えていない方など、焦ることなく自分のライフプランを考えることができるのです。

ですが、卵子凍結は、一般的にはまだ自費診療となっており高額なイメージがあります。東京都は助成金が始まり少し金銭的負担は軽減されます。これから卵子凍結に関する説明会を東京都が実施していきます。

一旦、お近くの婦人科や検診などでAMHを測ってみるのも、自分が今どの位置にいるのか、妊娠を急がないといけない状態なのか、など考える指標になるかと思います。年齢平均よりAMHが低すぎてもよい卵胞の獲得が難しくなりますし、高すぎても卵胞が成熟しづらく、生理周期が長くなるため年間の排卵回数が減ったりと、妊娠しづらい状況だったりすることもあります。

実際、不妊治療で患者様と関わって感じていることは、やはり女性にかかる身体的負担・精神的負担です。たとえば、結婚をしていて、受精卵を凍結しグレードのよい凍結胚を持っていても離婚してしまう方もいらっしゃいます。そうなると、パートナーとの受精卵は移植することができません。廃棄するしかないのです。

若いときの凍結卵を捨てて、また次のパートナーが見つかった時、1から不妊治療をやり直さなくてはならない。もしくは、今のパートナーは子供はいらない派だから、私はどっちでもいいかな、と考えていても、パートナーとの関係を解消し、次のパートナーが子供を欲しい人だったらどうしよう、という漠然とした不安があったりする方もいらっしゃるかと思います。

「卵子凍結」はまだまだ縁遠いイメージがありますが、実は私達普通の女性の身近な問題でもあります。

男性より女性の方が生殖能力の老化が早いことは事実で、誰かとの凍結受精卵ではなく自分の凍結卵があるということは、自分の未来の可能性を広げることができます。30代~40代の方が卵子凍結されている傾向ですが、今後はもっと、これから社会に出たり、海外転勤などバリバリ働こうと思っているような方にも広がっていってほしいと思っています。

 

卵子凍結は、基本的には1か月~2か月あれば完了します。数が少なかった方は、2回程実施する方もいらっしゃいます。自己注射も決して難しくありませんし、事前に指導させていただきますので安心して実施いただけます。注射と内服で卵胞を育て、ベストな時期に採卵をしていきます。自己注射することで通院回数を減らすことができます。迷っている方は、今日の卵子が一番若いということを思い出してもらい、ご検討いただければと思います。

ちなみに、受精卵の方が妊娠率が高いことは事実でありますので、パートナーとの子供をお考えの場合は、よほどのことがない限りは受精卵凍結をお勧めしています。